ほぼ毎週末、どこかしら晴れを求めて山に出かけるようになった時期に、ボルダリングを始めた。
関東甲信越・東北地方が雨予報のときは登山が中止になってしまうので、1人でもフラッと屋内で楽しめる娯楽として思いついたのがボルダリングだったのだ。
最初は暇つぶし程度にやっていたのだが、
「もう少しであの5級ができそう」「あれ、前回はできなかったのに。なんだかうまくなった気がするゾ」「くそぅ。あの人は簡単そうにやっているのに。私のムーブはなにが違うんだろ~」
といった謎の向上心が芽生えてきた。また、優しくておもしろい常連のお客さんたちの雰囲気も好きで、いつしか週1、週2と平日の仕事終わりにルーティンとしてボルダリングジムに通うようになっていた。そしてコレクションかのごとく、会員カードがみるみるうちに増えていった。
各人が目の前の課題に対して、あのホールドは甘い、ポジティブだ、ムーブが分からん、距離だしがムズイ、ガバカチだから大丈夫、あそこはパワー、全力保持、リーチで解決、フットホールドが米粒、信じることが大切、あーでもない、こーでもない、としゃべっているのもいとおかし。
今回は、今まで通ってきた東京近郊のジムについて記録しておこうと思う。
- エバーフリークライミングジム(四谷)
- APEX
- ESCALADE(新宿/大久保)
- BETA(曙橋)
- B-PUMP(荻窪)
- UNDERGROUND(東十条)
- NOBOROCK(渋谷、大宮、池袋、町田、高田馬場)
- ROCKY(曙橋)
- Green Arrow
- Fish and Bird(東陽町)
- ビックロック日吉(日吉)
- GIRI.GIRI(田無)
- RUN OUT(西国分寺)
- D BOULDERING(田町)
- Base Camp(入間、飯能、新宿、江戸川橋、東村山、新橋、錦糸町)
- T-wall
- クライミングパーク STONE MAGIC(淵野辺)
- ジャムセッション三鷹(三鷹)
- 空の向こうに四足歩行 そらよん(白金台)
- BOULCOM(神田/大手町)
- ボルダリングスペース BLEAU(新高円寺)
- The Factory(常盤台)
エバーフリークライミングジム(四谷)
・四谷駅 徒歩4分
ボルダリングジムという所に初めて行き、会員登録してホームジムとなったのがココ(通勤経路外だったので、2年後くらいにホームジムをAPEXに変更)。当時は東中野駅付近の半地下で、知らなければ通り過ぎてしまうような場所にあった。
ユーモアある店長と、いつも気さくに話しかけてくれる常連さん、今思えば強度のある面白い課題が多かった。ド素人だったが、楽しく続けられたのはこのジムのおかげだと思っている。(コロナ禍でも営業していた都内でも希少なジムだった)
キッズスクールは賑わっており、しかも強いキッズが多い(このジム出身の選手も何名かいる)。
APEX
昔は四谷三丁目と新宿に店舗があったが、コロナ後、四谷店はなくなり、新宿はURBAN BASE CAMP 新宿になっている。まだ当時は界隈の有名人を知らなかったので、後日、インストラクションしてくれたのが村井さんだと知ったときはビックリした。
定期圏内だったこともあり、回数券で四谷店に通っていた。ジムのコンペがある時期は月パスを買って、100課題のうち幾つ完登できるかを競った。(仕事中、夕方頃ふいに頭に壁が浮かんできて、その日に落としたい課題をイメトレしていたのが懐かしい。)
常連さんとマンスリー課題やファイル課題をセッションしたり、つよつよスタッフの登りを間近で見たりするなかで、カチが鍛えられ、真面目に取り組んだことでクライミング力が上がったと思う。
ESCALADE(新宿/大久保)
・新宿駅 徒歩10分、大久保駅 徒歩5分
APEX四谷店が閉店した後からホームになったジム。構造的に入りにくい感じがしたが、「定期圏内で、マブシがあって、強傾斜の壁もあって、利用料も高すぎず、ホームにできそうなところ」ということで行ってみたのが始まり。
何度か行ってみると、課題の強度もちょうどよく、常連さん同士もスタッフも仲がよくて居心地がいいなと感じるように。また、某登山用品店やアパレルスタッフもよく来ていて、山やクライミングの話をするのが楽しくて、ぺらぺら話してたら全然登ってない...なんていうことも間々。
2023年10月に閉店騒動があったが、そうならずに済んでホッとした。
◆その他、お世話になったジム
~かなり個人的な感想を添えて~
BETA(曙橋)
・曙橋駅 徒歩20秒
1階は垂壁、2解はまぶし系の傾斜壁。マンスリー課題が豊富でたのしい。
3階では、リードやマルチ、ミニクラック、ドラツーなどの練習ができる。1~3階をつなぐ螺旋階段の上り下りが核心。
B-PUMP(荻窪)
・荻窪駅 徒歩1分
日本・海外のつよい選手やキッズが多く、2~3級を触っている人が多い印象。
5級はコンスタントに落とせるが、4級になると最後の一手が怖かったり、核心のホールドが持てずキツイ。
秋葉原はまた少し雰囲気が違うかな~。
UNDERGROUND(東十条)
・東十条駅 徒歩3分
レディースデーに何回か訪問。「初めてボルダリングやりますッ」という大学生たちが来ていたことがあったが、初回でココに来るとは。果たして今もボルダリングを続けている人はいるのだろうか...
お客さんは、ひたすら長物を往復している強者オジサンや、ユース選手がちらほら。
足がこわい、という課題は少ないが、ひたすら強度が高くてしんどかった記憶。そのぶん、あとになって背中にくる筋肉痛が気持ちいい。
NOBOROCK(渋谷、大宮、池袋、町田、高田馬場)
初心者のデビュージムにぴったり。グレード感はやさしく、使われているホールドも親切なものが多い。
サークルやボルダリング初心者の人が多く、まれに強者が2段や3段などの課題に取り組んでいるとつい魅入ってしまう。
ROCKY(曙橋)
・曙橋駅 徒歩5分、四谷三丁目駅 徒歩11分
ラインセットで、映えるムーブをさせる中央の傾斜壁が特徴。
2級までは出来ても、1級になると手も足も出ず。練習してもどうにもならない課題も間々あった記憶。(いや~厳しい~といつも諦めてしまっていた。私が弱いだけなのは分かっている...)
パワーあふれる若手男子が楽しそうにセッションしたり、活気のあるジムだと思う。
Green Arrow
同僚の知り合いが店長しているということで、会社メンバーで妙典店へ訪問(現在は閉店している模様)。1度しか行っていないかも。
こじんまりしたジムで、グレード感や課題はあまり癖がなく、みんなで楽しめた。
Fish and Bird(東陽町)
・東陽町駅 徒歩10分
ここもアングラと同様、足がこわいという課題は少ないが、特に2階は強度が高くてしんどかった記憶。
奥のまぶしはあまり取り組んだことがないが、あそこで鍛えたら相当つよくなりそう。
一度、代表選手がコーチ(?)とトレーニングに来ていて、明らかに難しそうな1級を攻略していくのをずっと眺めていた。
ビックロック日吉(日吉)
・東急東横線 日吉駅 徒歩17分
雨で登山がながれたときに、1度だけリードをしに訪問。
ハンドサイズのクラックルートや、トップロープでワイドの練習ができる壁もあり、とても充実していた。あんな大きなルーフ壁の先端までクラックがあるのは珍しそう。
GIRI.GIRI(田無)
・田無駅 徒歩15分
山岳会のリード練習で1度だけ訪問。
RUN OUT(西国分寺)
・西国分寺駅 徒歩6分
石田先生のリード基礎講習で数回訪問。力を抜きながら登る基礎練習を何度も行った。
オートビレイがある希少なジムで、ロープクライミングの練習に最適。2022年より、なんとトップロープのクラック練習用エリアも設けられたようで、しかも本物の岩っぽいルート。もちろんボルダリングエリアもあり、まぶしの強傾斜も楽しめる。
D BOULDERING(田町)
・田町駅 徒歩2分
2023年11月にオープンした新しいジム。職場の同僚と1度だけ訪問。客層は、玄人やつよつよクライマーというよりも、初心者の会社員や学生が多かった。
田町駅直結の新しいオフィスビルに入っており、飲食店フロアにはさまざまなジャンルのお店がずらり。ジムの帰りに飲んで帰るのにも環境がいい。(大きな道路の反対側には、慶應生などで賑わう居酒屋も多々)
Base Camp(入間、飯能、新宿、江戸川橋、東村山、新橋、錦糸町)
T-wall
ベーキャンに統合されてからも江戸川橋には何度か訪問。リードエリアの課題はT-wallの雰囲気そのままだった。
クライミングパーク STONE MAGIC(淵野辺)
・淵野辺駅 徒歩15分
実は地元にあった老舗ジム。倉庫のような広い建屋で、ボルダリング・リード・トップロープ・アルパイン(登山靴で登れる!)・ドラツーを練習できる壁がある。
課題はBETAと似ていて、岩場に強くなれそうな感じ。
ジャムセッション三鷹(三鷹)
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・三鷹駅 徒歩3分
山岳会の先輩(クラックの名人)に紹介してもらい、クラック講習を受講。
店長さんの教え方・人柄が好きで、講習はとても楽しかったし、スキルや知識も習得できたし、本当に通ってよかったと思っている。手足の使い方もそうだが、プロテクションの重要性やセットの仕方をしっかり教えてもらえたことが大きい。
クライミング書籍もたくさん置いてあり、無料のコーヒーを飲みながらゆっくり過ごすのも良し。ジムはかなり狭いが、常連さんもおおらかな方ばかりで居心地がよかった。
空の向こうに四足歩行 そらよん(白金台)
・白金台駅 徒歩5分
友人に誘ってもらった貸切りイベントで2回ほど訪問。トンネル構造の壁や傾斜の強い壁があり、また、年季の入ったホールドが多くて、岩に向けたトレーニングが捗りそう。
BOULCOM(神田/大手町)
利用料が安かったので行ってみたジム。
かつての新宿店は、ザ・箱 というような造りだった。東京店は、エレベーターで地下にいくと、なんと開放感のある空間。オープン当初は山手線通勤電車のような混み具合だったが、最近は落ち着いているイメージ。平日夜は仕事終わりのサラリーマンが多い。
ボルダリングスペース BLEAU(新高円寺)
・新高円寺駅 徒歩4分
課題もスタッフも常連さんも好きだったが、とにかく狭い!
ここで初めて「thoufun」のジーパンを試着して、スッとしたフォルムや生地が気に入り、足上げのしやすさにも心揺さぶられ、危うくサラッと15,000円払ってしまいそうになった。(当時は他の山用品で散財していたのでなんとか我慢)
The Factory(常盤台)
・常盤台駅 徒歩10分
コロナ禍、山仲間と何度か遊びにいった。小規模なジムだが、課題数が多い。ドッカブリの傾斜壁、まぶし、課題、ホールドがうお~という感じで、岩に強くなれそう。
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2019年、何気なく始めたボルダリングだったけど、結果的に三点支持が自然と身につき、キレットやジャンダルムなど岩稜の通過にも役立っている。と思う。
そしてボルダリングを始めた当初は、ただの暇潰しだったし、ロープを使うクライミングも知らなかったのに、まさか自分がアルパイン、外岩ボルダー、フリークライミングに手を出すようになるとは、人生何があるか分からないもんだ...